OCT(光干渉断層計)検査

sp_inq.png

アクセスはこちら

新しい医療機器”OCT”を導入しました

OCTとは!?

OCT(OpticalCoherenceTomography:光干渉断層計)は、眼科領域において主に網膜の断層像を撮るのに使われています。 最近では機器の飛躍的な進歩により、緑内障診療にも欠かせないものとなってきており、当院では平成24年4月より導入を致しました。
5年前に導入したGDxアクセスは、網膜神経線維層の厚さを測定する緑内障診断装置で当時としては最新鋭でしたが、この度導入したOCTは、 その機能に加えて極早期緑内障を検出する解析プログラムを搭載しており、さらに黄斑部の断面図も観察できる器械です。

OCT導入の理由

導入を決めた理由は、加齢黄斑変性症と緑内障という中途失明原因の上位に位置付けられている二大疾患を早期発見することにより、 これらの病気で「見え方の質(Quality of Vision)」の低下に苦しむ患者様を一人でも減らしたいという思いからです。

OCTの導入でどうなるの?

この度のOCT導入により、当院の緑内障診療と網膜診療のレベルが確実に上がったことを実感しています。
いずれも早期診断が可能となり、経過観察にとても有用です。画面上に映し出される情報量は非常に多いのですが、検査結果のカラー表示が見やすく、 患者様へのインフォームドコンセントの手助けとなっています。
GDxアクセスでは、検査時間が意外と長く、検査を受ける体勢が辛いとの声がありましたが、 OCTでは「こちらの器械の方が楽です」とおっしゃって頂いております。

1. 網膜モード

院長による眼底検査や眼底カメラ撮影など従来の診察だけでは解りにくい網膜(カメラに例えるとフィルムの部分)の状態、 特に黄班部(網膜で最も視力に関係する大事な部分)の断面を観察することにより、網膜疾患や黄斑部疾患の早期発見、 その治療方針の決定や治療効果の判定に役立てることが出来ます。
OCT検査が力を発揮する代表的な疾患は、加齢黄斑変性、黄斑上膜、黄斑円孔、黄斑浮腫などです。

正常眼底
加齢黄斑変性
黄斑前膜
黄斑円孔
網膜静脈分枝閉塞症

2. 緑内障モード

乳頭周辺の網膜神経線維層の厚さを測定し、GCA(網膜神経節細胞層・網膜内網状層のみを取り出して選択的に想定したもの)という 新しい解析プログラムも搭載しており、視神経障害が始まっていても通常の視野検査では検出できない極早期緑内障の検出も可能となって来ています。

正常眼底
網膜神経線維層の厚さ
GCA
正常眼圧緑内障(右極早期?・左初期)

右視神経乳頭は、一見正常のように見えるのですが。。。

左視神経乳頭の陥凹拡大と下方リムの菲薄化、
さらにその領域に一致した網膜神経線維層の欠損を認めます。

網膜神経線維層の厚さ

右眼は正常ですが、左眼は、下方リムの菲薄した部位と網膜神経繊維の菲薄化(赤色)が一致しています。

GCA

右眼は広範囲にわたり菲薄(赤色)し、左眼は下方リムの菲薄した部位に一致して菲薄しています。

ハンフリー静的視野検査

右眼は正常範囲内で経過も安定しています。

左眼は中心閾値が低下し、増悪傾向を呈しています。

右正常眼圧緑内障(中期)

右視神経乳頭の陥凹拡大と下方リムの菲薄化。

左視神経乳頭は正常。

網膜神経線維層の厚さ

左眼は正常ですが、左眼は、下方リムの菲薄した部位と網膜神経繊維の菲薄化(赤色)が一致。

GCA

左眼は正常で、右眼は下方リムの菲薄した部位に一致して菲薄(赤色)しています。

ハンフリー静的視野検査

右眼は、上半盲に近い状態で増悪傾向を呈しています。

左眼は正常範囲内で経過も安定しています。

最後に

当院では、一般的な眼圧検査・眼底検査(眼底カメラも含む)・視野検査などをおこなった上で、病状に応じてOCTもおこない、 これらの検査結果を総合的に判断して網膜診療と緑内障診療にあたっております。
また、私たちは、常に新しいものに目を向け、進歩する医療と患者様のニーズに応えるためスタッフと共に向上心を持って診療に取り組んでいます。
器械が変わったことにより、戸惑っておられる患者様もおられるようです。
もしご質問等がございましたら、最寄りのスタッフまたは院長までお気軽にお尋ねになってください。

TEL:078-732-0091 診療時間:9:00~12:00/15:00~18:00 休診日:日祝・木、土曜日午後 アクセスはこちら